重要使用人の届出

実務上のポイント

新年を迎え、いわゆる重要使用人(金商法第29条の2第1項第4号を受けた同施行令第15条の4に規定される使用人1)の採用・異動が生じる金融商品取引業者もあると思います2。届出の期限はみなさんご存じのとおり、発生から2週間以内です。復習として、提出書類の記載上のポイントを共有します。
 届出担当者様の役に立つことを希望します。

届出に必要な書類一覧3

金融庁

名称メモサンプル(参考する際は自己責任でお願いします該当条文
重要使用人の変更届役職は登録書面に一致させる①参照業等府令第20条柱書
誓約書(本人)異動が生じた日。(たとえ土日祝日でも)②参照業等府令第20条第1項第3号ハ(5)
誓約書(金商業者)(筆者は届出日としている)③参照業等府令第20条第1項第3号ハ(6)
履歴書・(提出前チェックポイント)住所は住民票の記載ぶりに一致
・(提出前チェックポイント)西暦or和暦を統一

業等府令第20条第1項第3号ハ(1)
登録書面第5面または6面コンプライアンス人員は第5面、運用部署人員の場合は第6面業等府令第20条柱書
業務執行体制書面・社員数を更新。時点も更新
・時点は届出日ではなく、移動が生じた日
業等府令第20条第1項第3号イ
住民票の抄本本人のみのものを取得するよう予め伝えておく業等府令第20条第1項第3号ハ(2)
身分証明書黒塗りしない業等府令第20条第1項第3号ハ(4)

投信協会

名称メモサンプル
重要使用人の変更届役職は登録書面に一致させる定款の施行に関する規則別紙様式第 20 号
誓約書(本人)金融庁宛の書類からあて先を投信協会会長充てに変更④参照
誓約書(金商業者)同上⑤参照
履歴書住所は住民票の記載ぶりに一致
住民票の抄本
身分証明書黒塗りする

注)ファイルは筆者が架空の要件を設定、試作したものです。ファイルの閲覧や参考は自己責任でお願いします。

  1. コンプライアンス部署の責任者だけではなく、実態としてその職務を代行できる者も届出の対象です
    理由:施行令第15条の4を受けた業等府令第6条第1項で「令第15条の4第1号に規定する内閣府令で定める者は、部長、次長、課長その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、同号に規定する業務を統括する者の権限を代行し得る地位にある者とする。」とされているためです。 ↩︎
  2. 届出の根拠は金商法第31条第1項 ↩︎
  3. 業等府令第20条第1項第3号
    3 法第29条の2第1項第3号又は第4号に掲げる事項について変更があった場合 次に掲げる書類
    イ 業務に係る人的構成及び組織等の業務執行体制を記載した書面
    ロ 役員に変更があった場合には、当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面
    ハ 新たに役員又は重要な使用人となった者に係る次に掲げる書類
    (1) 履歴書(役員が法人であるときは、当該役員の沿革を記載した書面)
    (2) 住民票の抄本(役員が法人であるときは、当該役員の登記事項証明書)又はこれに代わる書面
    (3) 旧氏及び名を、氏名に併せて別紙様式第1号により作成した変更後の内容を記載した書面に記載した場合において、(2)に掲げる書類が当該旧氏及び名を証するものでないときは、当該旧氏及び名を証する書面
    (4) 法第29条の4第1項第2号ロに該当しない旨の官公署の証明書又はこれに代わる書面
    (5) 法第29条の4第1項第2号イ又はハからリまでのいずれにも該当しない者であることを当該役員又は重要な使用人が誓約する書面
    (6) 当該金融商品取引業者が法人であるときは、法第29条の4第1項第2号(イに係る部分に限る。)に該当しないことを誓約する書面
    (7) 当該金融商品取引業者が個人であるときは、法第29条の4第1項第3号(同項第2号イに係る部分に限る。)に該当しないことを誓約する書面 ↩︎

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