令和6年金商法改正-登録申請書の変更届出

実務上のポイント

今回の法改正は規制緩和の方向です。特に投資運用業への新規参入者にとっては追い風ですが、新規既存双方への影響として、「金融商品取引業者の登録申請書の様式変更1」があります。

主たる変更点と届出の期日、記入のポイント等を記します。

主たる変更点、届出の期日等

別紙様式第一号

面数項番内容要点届出期日メモ
第2面7運用委託業務監督部門統括者の記載運用権限を委託する場合(一部or全部は問わない)に、委託する業務の監督を行う部門を統括する者の氏名を記載施行日である令和7年5月1日から6か月以内ただし、改正前金商法で項番7への記載が求められる者(=既に届出ている者)である「運用部門統括者」や「金融商品の価値等の分析に基づく投資判断を行う者」が運用委託業務監督部門統括者を兼務する場合は届出不要
第2面9投資運用業を行おうとする場合において、その行おうとする投資運用業に関して、顧客から金銭又は有価証券の預託を受けず、かつ、自己と密接な関係を有する者(略)に顧客の金銭又は有価証券を預託させないときにあっては、その旨太宗の投資運用業者は金銭や有価証券の預託を受けないが、受けない旨を明示する必要が生じた改正金商法による資本金等の緩和恩典を受けたい者:施行日である令和7年5月1日から6か月以内

上記以外:特になし
他の変更登録(例えば、非上場有価証券特例仲介等業務の開始)と合わせて行うことで了とされている。(金融庁からの説明会資料より)
しかし、法令の附則第7条からは読み取れず、半年以内に届出たいと筆者は思っている。
第2面24投資運用関係業務を委託する場合においては、その旨並びに委託先の商号、名称又は氏名及び当該委託先に委託する投資運用関係業務の内容基準価額の計算を外部委託している投資運用業者は要注意委託先が投資運用関係業務受託業者か否かは問わない。
 改正法は令和7年5月1日施行であり、当ブログ執筆時点では投資運用関係業務受託業の登録を行った者はいないと思慮。一方で、信託銀行等に基準価額の算出を委託している運用会社はあると考える。
施行日である令和7年5月1日から6か月以内投資運用関係業務は2類型。
①計理②コンプライアンス関係
第2面25投資運用関係業務を投資運用関係業務受託業者に委託する場合において、法第29条の4第1項第1号の 2ただし書に定めるその業務の監督を適切に行う能力を有する役員又は使用人を確保するときは、その旨及び当該役員又は使用人の氏名又は名称当法改正のハイライト。投資運用関係業務受託業者への業務委託で要件緩和を受けたい者はその監督者の氏名を記載施行日である令和7年5月1日から6か月以内
第6面第2面項番7に対応運用権限を一部でも委託する際にはその監督を行う者の氏名を記載施行日である令和7年5月1日から6か月以内ただし、改正前金商法で項番7への記載が求められる者(=既に届出ている者)である「運用部門統括者」や「金融商品の価値等の分析に基づく投資判断を行う者」が運用委託業務監督部門統括者を兼務する場合は届出不要
第10面第2面項番24に対応委託する投資運用関係業務の内容を記載施行日である令和7年5月1日から6か月以内投資運用関係業務は2類型。
①計理②コンプライアンス関係
筆者は①が該当する運用会社があると思慮。
第11面第2面項番25に対応る役員又は使用人を確保する旨も項目として設けられている施行日である令和7年5月1日から6か月以内
  1. 金融商品取引法第29条の2第1項、金融商品取引業等に関する内閣府令第5条に定められる別紙様式第1号 ↩︎

登録申請書の変更届出書の例

金融商品取引業等に関する内閣府令第5条に定められる別紙様式第1号(令和7年12月1日施行 附則第3条,8条で6か月の経過猶予措置が与えられているため)に変更届出の例を記入してみました。
記載上の注意点や参考となると考える情報もメモとして書き込んでいますので、ご覧ください。

【前提】
〇投資運用業のみを行う既存の金融商品取引業者
〇改正金融商品法の規制緩和は受けない
〇既に届け出ている重要使用人が運用権限の委託に関する業務の監督を行う部門を統括する
〇日本国内に有人の事務所のみを設置

【使用の前提】
あくまで例であり、参考とすることや使用は自己責任でお願いします。
〇PDFファイルをワード化したため、一部フォーマットが歪んでいる個所があります。
〇日付や商号など当法令改正と関係が薄い箇所は記載を省略したり、ブランクのままにしています。

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