後ろ向きなタイトルですが、過去の備忘と失敗からの教訓に焦点を当てて記載します。当ブログを読まれるみなさんが同じような轍を踏まないように、また何らかの気づきを得る契機になればと思います。
行動までの遅さ
新卒で入社した会社は、半官半民の緩さと年功序列が相まって、惰性で仕事をしている者が散見されました。自主規制団体であり、会員からの会費で賄われているにも拘らず、実務がわからないので個別の相談案件が来ても法令諸規則の条文を読み上げるにとどめ、「個社の判断でどうぞ」と回答していました。「実務がわからないので、基本的なところで恐縮ですが教えていただけますか?その後に規則に照らして回答します」と素直に言うことなく、「そんなこと聞いてくる会社が悪い」というスタンスでした。相談の電話が来ても、「当部の担当ではない」と言って相談の電話があるのを告げること自体に苦言を呈されました。
困りごとがあるから電話してきているのに、話を聞こうとも相手を理解しようともしない姿勢に強い疑問が生じました。しかし、私が組織の在り方に疑問を感じてから実際に転職をするまでに4年以上を要しました。
転職は人生設計そのものであり、素早く安易に行えばよいものではありません。私が後悔しているのは、疑問を感じながら何ら行動をしなかった累積が4年以上になった点です。「信頼できる人に相談する」「職務経歴書をエージェントに送る」「面接を受けてみて落ちる」「熟慮して辞退した」・・こういった行動の結果、転職までに4年かかったのならどれほど良かったかと思わずにはいられません。
動き続けた4年と何もせずに過ぎた4年では密度が異なります。また、転職希望者の年齢が上がれば、転職市場で求められるスキルも高度化します。当時の筆者はそのような常識さえも把握していませんでした。
最初の職場は年功序列により20-30代の給与は低くとどまる給料体系でした。生々しい話ですが、転職時の給与も前職水準が考慮されて年齢にしては低く提示されました。でもその点に後悔はありません。当時の私は競争のない半官半民企業に7年在職した者であり、ビジネスを日々行っている運用会社が期待する知識と経験を持ち合わせていなかったからです。低い能力がそれに沿った待遇を提示されたという当然の帰結です。
お金は仕事で稼ぐことができます。でも、失われた時間はいかなる方法をもっても取り戻せません。みなさんには、疑問を感じた時に、行動を起こさず漫然と時間を過ごすことはしないでほしいです。
主体性の欠如
新卒で入社した会社は、企業文化への疑問から離れることとなりました。それも、いよいよ我慢できなくなったという環境に追い込まれての転職でした。当時の私は、キャリアアドバイザーや転職エージェントへの理解が今よりずっと乏しく、連絡してきたほとんどのエージェントと会っては、考えと違う求人を示されたり、そもそも求人をもらえずに無意味な面談時間を過ごしました。
信頼できるキャリア相談相手を見つけようとしなかったのは私の誤りです。そういう方に結果として巡り会えなかったとしても、探そうとして見つからなかったのと、探そうとさえしなかったのでは大きな違いがあります。キャリアの早いうちであれば修正も可能であり、殊、最初の転職での労働条件は以後のキャリアに影響します。明示的に言えば、1回目の転職で高い給与条件を得られれば、2回目以降の転職でもそれが基準になります。当ブログの読者のみなさんは、この程度の「常識」はずっと前にお気づきor信頼できるキャリアアドバイザーから聞いていると思います。
最初の転職の際、環境に追い込まれていたのもあり、たまたま連絡してきたしっくりこないエージェントと話をなんとなく進めてしまいました。
今後のキャリアは未来の事項であり予見はできません。だからこそ、信頼できる相談相手を見つけて時々一緒に考えたり言語化できていない思考を言葉にする必要があると思います。そして、予想できない事項に対してできるのは、今この瞬間に合理的であることだと思っています。最善を尽くすために今取った行動の累積は、きっと納得のいく将来を引き寄せると信じています。
みなさんには信頼できる相談者がいらっしゃったり、そもそも自力で大海を渡れる各位だとも思います。ビジネスパーソンのキャリアは目的地もルートもそれぞれですが、道を進む際に他山の石にしていただけたら幸いです。
7/23追加 新たに始めた事項
私の辿ってきた道はまっすぐではありませんでしたが、優秀な人材が働く会社の一員になれました。現在の同僚は能力の高さと温かい人柄は両立できると体現する方々です。このチームの一員になってから知り合えた他社のコンプライアンスオフィサーの方々も能力が非常に高く、翻って自らの知識の浅さを痛感させられました。
自身の持つ知識を発信することで、その理解も体系化され深まると考え、当ブログを始めました。
「やりたい人100人、始める人10人、続ける人1人」という言葉があります。みなさんそれぞれのやりたい事項にぜひ1歩を踏み出してください。そして続けてみてください。何かを始めるのにまだ早いという心配はありますが、遅すぎることは絶対ないと思っています。